快適に暮らす
いまも、むかしも。
山根木材では、毎年1月に釿始式(ちょうなはじめしき)を執り行います。
家を建てる棟梁とともに、平安を祈願します。
その式中にはいくつか大工道具が出てくるのですが、
その中に、釿(ちょうな)という道具があります。
出典:建築用語集
持ち手が湾曲した独特な形をしていますね。
これで、丸太から必要な形状まで削っていました。
これは、現代ではプレーナーやはつり機という機械に代わっています。
昔は、電動工具などなく、すべて人の手で木材から切り出し、
寸法を合わせて組み立てていました。
人の手のすばらしさを感じます。
そして、釿と機械の仕上がりの違いとして、
加工した表面の美しさに違いがあります。
機械で加工した表面は、均一で平らな仕上がりとなりますが、
釿は、少しずつ削り取る加工方法なため、表面は平らではありません。
出典:松本城
写真の柱は、釿で加工された表面です。
微妙な凹凸が、時を経て美しい表情を出しています。
手仕事の記憶をとどめているようですね。
最近では、この表面加工(名栗といいます)が施された
フローリングもあります。
もちろん、その加工は機械がおこなっていますが
昔、あたりまえだった加工方法は、デザインとして現代にも残っています。
山根木材は今年110周年を迎えます。
温故知新で、これからも快適な家づくりをしていきたいと思います。
設計